UDトラックの水漏れの原因はウォーターポンプのキャビテーション!

水漏れの修理で入庫したUDトラック。 水漏れの絵がハンパない!笑

クルマもこの夏の厚さに勝てず、ウォーターミストを自ら作り出したようです。

車両情報

メーカー UDトラックス
車両型式 CW5XL (クオン)
初度登録 平成27年
走行距離 230,927km
エンジン型式 GH11
エンジン排気量 10.83L

UD製クオンのウォータポンプキャビテーションによる水漏れ

生コンクリートの運搬車です。

 

水漏れの原因

 

UDクオンの水漏れ

ウォーターポンプケースにΦ0.5mmの小さな穴が空き、ここからビュービューと漏れる漏れる! 冒頭の動画のようにもはや芸術とも言えるほどに小さくて丸い穴キレイにあいています。

このピンホールは元々あいていた訳ではありません。 どうやってあけられたのか? その答えは裏側にありました。

キャビテーションによる侵食

UDトラックの水漏れの原因はキャビテーション

ウォーターポンプケース側に2ヶ所、キャビテーションによって侵食された痕跡がありました。 その内の大きい方の穴の侵食が深く、分厚いアルミケースを貫通する程の威力です。

UDトラックの水漏れの原因はキャビテーション

↑これが侵食されて完成したピンホールです。 ウォーターポンプは遠心力を使うので、吸った水を吐出する部位に出来上がっています。圧力の急激な減少が起こっているポイントだろうと推測できますね。  キャビは部分的、瞬間的に圧力が下がる事で水が沸騰し気泡が発生→圧力がもどり気泡が消える瞬間に大きな衝撃波が発生→衝撃波によって壁面が壊される。というメカニズムです。

なので、実力としてキャビテーションタフネスが不足していると言えます。  案の定、新しい部品はウォーターポンプ側に対策がされていました。(写真撮り忘れました)

UDトラックの水漏れの原因はキャビテーション

↑アップして見ると、ゴリゴリに削れてもっていかれていますね・・・。  ポンプは写真下側に回転軸がありますから、写真↑方向に放射状に吐出され圧力が高まります。逆に中心は吸い口となり圧力が低く吸い込みます。

赤◯で囲った部分は高圧部分です。 緑◯で囲った部分は左下に向かうにつて容積が増加し、冷却水の流れが作られます。 つまり緑矢印の起点から圧力低下が始まるポイントとなります。 この部分でキャビテーションが発生しつづけ、長い時間を掛けて侵食されたことが分かります。

UDトラックの水漏れの原因はキャビテーション

↑緑矢印の終点は水流を作るポケットの落ちるポイントです。つまり圧力が高まった水がポケットに入る事で圧力低下を起こしているポイント。 ピン角部分も侵食されている痕跡がありますね。

UDトラックの水漏れの原因はキャビテーション

↑ドアップで見ると、侵食されている様がよく分かります。 侵食されている事も問題ですが、侵食されて粉と化したアルミが冷却サイクルの中をぐるぐると凄い勢いで回っている事を考えると、それはそれで良くないですし、様々なシール部分を削ってしまいそうで怖いですね。

特にウォーターポンプ本体のシャフトはラビリンスシール構造になっているので、軸にアルミの粉が触れると摩耗を促進しそうな気がします。

その意味でも冷却水を定期交換することは、意味があると感じます。

 

UDトラックの水漏れの原因はキャビテーション

↑別の侵食部位のアップです。グランドキャニオンもこのようにして出来上がるのでしょうか。幾何学的な模様をしていますね。

 

UD製クオンのウォータポンプキャビテーションによる水漏れ

↑ウォーターポンプ側です。 こちらもやはり大きな侵食があります。 ここまでとは思いませんでした。 さすがにこれはリコールや積極市場措置が必要と言わざると得ません。 運転手さんが気をつけられる部位ではありませんからね。 製品としての実力でしかありません。

UD製クオンのウォータポンプキャビテーションによる水漏れ

ポンプ側の奥も大きな侵食痕が認められます。  ウォーターポンプは定期交換部品と思って点検するしかありませんね。

UD製クオンのウォータポンプキャビテーションによる水漏れ

実際の作業は、エンジンファンブレードを取外して行います。 ウォーターポンプのみの交換であれば、ファンブレードと外さなくても交換可能ですが、ウォーターポンプケースを外すにはファンブレードの脱着を伴います。

このファンの脱着はなかなかの手間が掛かりますから、時間が掛かります。

 

UD製クオンのキャビテーションによる水漏れのまとめ

水漏れの原因は、ポンプケースキャビテーションによるケース侵食による穴開きでした。

侵食は多岐に渡って発生しており、削れたアルミの粉が冷却サイクル内を循環してしまい、更なるトラブルを引き起こす可能性もあるため、冷却水の交換時期をきちんと守ることの重要性も理解できる不具合でした。

キャビテーションによる不具合はちょくちょく見るので、冷却水交換の際は金属粉が混ざっていないかどうか? を見る観点も重要だと思います。

 

ちなみに以前某メーカーでMotoGPマシンを開発していたときもキャビテーションが原因でシリンダーにクラックが入る不具合を見たことがあります。 対策としては圧力差を小さくする事で解決しました。

ションベン小僧のような水漏れの場合は、すぐに故障診断できるようになりました。

 

 

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