
トラックや建機など大型エンジンに使われる事の多いディーゼルエンジン。 そのエンジンオイルの規格は主に3つあり、DH2、DL1、CFです。
DH2とDL1混ぜてもいいの?
そもそもCF規格ってあんまり聞いた事が無い・・
そんな疑問をお持ちの方は是非最後までお付き合い下さい。
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ディーゼルエンジン用オイル規格一覧表

| オイル性能比較 | DL-1 (Diesel Light) |
DH-2 (Diesel Heavy) |
CF-4 (Compression Ignition Engine) |
| 適用車種 | 乗用車 ハイエース 乗用車ディーゼル 軽量なクルマ |
トラック、建機 大型トラック 建設用機械 舗装路走行車 |
DPF無しENGINE 大型トラック 建設機械 |
| DPF装備 | 有り | 有り | 無し |
| DPFの要求性能 | ・フィルターの目が細かい ・詰まりにくい性能が求められる |
・フィルターの目が粗い ・高い耐久性 |
DPFが装備されていない |
| 交換サイクル | 短い | 長い | 長い |
| 油膜強さ | 低め ※燃費重視 |
高め ※保護性能重視 |
中間 |
| エンジン保護性能 | 乗用車に最適化 | 高出力対応の添加剤入 | ー |
| 硫酸灰分(金属分) の量 |
極めて少量 0.9〜1.1%以下 |
中程度 0.9〜1.1% |
多量 制限なし。DPFを直ぐに詰まらせる |
| 求める性能 | ・DPF保護性 ・低燃費性 |
・ENG保護性 ・耐久性 |
・低コスト性 |
| 他規格オイル の使用 |
・DH-2:NG ・CF-4:NG |
・DL-1:NG ・CF-4:NG |
・DL-1:NG ・DH-2:OK |
| 制定年 | 2003年 | 2003年 | 1990年 |
このような違いがあります。 簡単にまとめると↓
DH-2規格
DPFが装備された大排気量ディーゼルエンジン向けオイルで、エンジン油量が多く、高い保護性能と長いライフが特徴です。
排気量が大きい分、燃焼ガスの量も多くなります。 ブローバイガスとしてエンジン内部に侵入すると、酸性の燃焼ガスがオイルに触れ酸化していきます。 酸化してしまうと、エンジン内部の金属部分が侵食されてしまうので、オイルにはアルカリ成分の添加剤を混ぜてあり中和されるようになっています。
この反応をする時に「硫酸灰分」(金属化合物)が生成されます。
この硫酸灰分がDPF詰まりを促進する一助になってしまのです。
DL-1規格
DPFが装備された乗用車向けディーゼルエンジンオイルで、エンジン油量が少なく目の細かいDPFを詰まらせ難い事が特徴です。
乗用車向けで排気量が小さく、DPFも大きな容量を確保できないため、目の細かい仕様となっていて詰まりやすい特性があります。
エンジンオイルにも目の細かいDPFを詰まらせないよう、配慮した設計がなされています。
また排気量が小さい事もあり、全体として負荷は小さいですから、大型車のような超ロングライフは必要なくDPFを労るような特性が与えられています。 よって硫酸灰分の生成が少ないオイルと言えます。
唯一混ぜられるのは、CF-4規格指定のエンジンにDH-2オイルを入れる事は可能です。それ以外は全てNG
| ENGとオイル組合せ | DH-2 ENG | DL-1 ENG | CF-4 ENG |
| DH-2オイル | ◎ | ✕ | ◎ |
| DL-1オイル | ✕ | ◎ | ✕ |
| CF-4オイル | ✕ | ✕ | ◎ |
DPF詰まるなら硫酸灰分無くした方が良くない?
大型トラックのDPFを丸っと新品に変えると余裕の100マソエソコース・・・(泣)
エンジンオイルを定期的に交換していても詰まる時は詰まってしまうDPF。 できる事なら絶対に詰まって欲しくない! 絶対に!!
硫酸灰分には確かにDPFやGPFを詰まらせてしまう、エンジン内部に灰分が溜まるという負の側面があります。 その一方で耐摩耗性能が高く、エンジン内部をキレイに保つ性能も高いです。 よって灰分が多いほうが摩耗に強いオイルとなります。 だからこそ、エンジンの耐久性を重視する大型Dieselエンジンに最適と言う訳です。
硫酸灰分の2つのメリット
メリット1、エンジンをキレイに保てる
硫酸灰分が多いオイルは、清浄剤(Caスルホネートなど)が多く含まれています。洗浄剤が多いので、洗浄作用の効果が高く又、長続きするのです。
つまり洗浄剤が多い→汚れをたくさん取ってくれる→洗浄した結果として硫酸灰分が多く出る。 ことになります。
掃除をしたらゴミが集まるのと同じように、エンジンオイルが掃除をすると硫酸灰分が出るのです。
メリット2、エンジンの摩耗を減らしてくれる
耐摩耗剤の代表格がZnDTP(ジアルキルジチオりん酸亜鉛)です。 エンジンオイル以外にも工業オイルの耐摩耗剤として多く使われています。 エンジンにおいては、動弁系統(カム、ロッカーアーム)、メタル、ピストンピン、ピストンリング、ターボシステムなどの部品の摩耗を強い保護膜を形成して摩耗を劇的に低減します。
仮にZnDTPの含有量が0%だとすると、0.8%添加した場合より摩耗は10倍になると言われています。
またエンジンのドライスタートにも効果があり焼付き性能も向上するまさに救世主的存在とも言えますね。
その一方で、ZnDTPは燃焼するとリン酸化合物が生成され触媒表面に付着すると、触媒の性能低下を引き起こしますので適量が大事という訳です。
DPFを詰まらせる原因
- 41%:煤、カーボン
- 25%:未燃焼エンジンオイル
- 14%:硫酸分
- 13%:灰分(ASH)
- 7%:未燃焼燃料
アッシュ(ASH)フリーオイルとは、この灰分の発生が無いオイルの事です。 新油の時にはどのオイルも含まれていません。 様々な添加剤の中に含まれています。
硫酸灰分としては全体の約27%を占める量なので、約3割は大きいですよね。 世の中にはアッシュフリーのオイルも存在しますが、耐摩耗性やその他性能を他の物質で置き換えている事を考えると、高い技術力だと感じます。
この記事がオイルを選ぶ際の判断材料の一助となれば嬉しいです♪
