スバル・サンバーエンジン不調で力が出ない理由が驚愕だった
ベース色は赤色

車両情報

スバル・サンバーKS4

車名 スバル・サンバー
型式 KS4
ENG型式 EN07
年式 1997年
走行距離 212,102km

 

不具合内容

荷物を積んで坂道を登ると、エンジンがガクガクしてしまって坂を登っていかない。 エンジンが止まりそうになって全く進まなくなってしまう。 下りや平地は問題なく普通にはしる。  直して欲しいができるか?

との内容でご入庫頂きました。 まずは不具合現象が再現する事を確認するため試運転します。

はじめは工場近くの、やや上り坂を普通に走っていましたが不具合症状は全く出ず、高いギヤで無理やりアクセル全開にしても全く問題ありません。 何度アクセルを全開にしても力強く走ります。。。

ANDY

なんでだろう・・・ 「200L満タンのドラム缶を数本積んでた」って行ってたから積載しないと出ない症状なのかな??  ドラム缶は無いから試しにバッテリーを積んで走ってみたら症状でるかな

取り敢えず交換したバッテリーをしこたま積んで走りますが、特に不具合なくはやり力強く走ってくれます・・・。

1周3kmほどのテストコースなのですが、どちらから回っても前半は登り、後半は下りの勾配です。 右回りは階段のような登り勾配で、フラット→登る→フラット→登る、こんなサイクル。 対する左回りは前半ずっと緩やかに登ります。

左回りの登り勾配も後少しってところで突然「ギッコン!バッコン!」と全く加速しなくなりとんでもない前後の振動が!!!

 

やっと不具合を再現してくれました!!↓

試運転してみると想像以上に酷い状況でした↓

エンジン不調部位の予測

再現した不具合から、不具合部品を予測します。

予測1. 燃料ポンプの回転数不足

燃料ポンプモーターの抵抗値が高まり、回転数が下がる→ その結果燃圧が低下して燃料が噴射されないパターンです。

この場合、アイドリングや低負荷など要求燃料量が少ない時は不具合は起きません。 要求燃料量が増加する高負荷高回転時は燃料不足に陥り、不具合が出ます。

 

予測2. 燃料フィルターの詰まり

燃料フィルターが詰まると、そもそも燃料が流れません。 電気回路でいうところの抵抗値が大きくなるのと全く同じです。 フィルター通過後の燃料流量が減少します。

やはりアイドリングや低負荷の時は問題なく、高負荷高回転時になると燃料不足、燃圧不足によってボコついた症状となります。

 

予測3. 点火系統の不具合

失火してボコ付く不具合も考えられます。

しかし今回の場合は高負荷のみで、下り坂では症状はでません。  点火系統の不具合であれば、負荷に関係なく一定の条件で不具合が発生します。

なので、可能性は低いかなと考えました。

 

エンジン不調の原因

結論は、燃料フィルターの詰まりが原因でした↓

高負荷&高回転でガコガコした理由は、「燃料フィルターの詰まりによる燃料不足」で確定しました。

詰まりのレベルも完全などん詰りではなく、アイドリングや低負荷時の要求燃料量は流せるレベル。 高負荷が続くと要求燃料量に対し、供給量が不足する結果、燃料不足に陥りあのズッコン×バッコン現象が結果となって現れていました。

 

整備手順

手順1.燃料ポンプ取外し

車体左側の後方に取り付けられています。 タンク→フィルター→ポンプの順に直列接続されているので分かりやすいです。

フィルターはナット2個、ポンプもナット2個を外すだけなので、ここは簡単です。

 

手順2. ポンプのコネクター取外し

スバル・サンバーの燃料フィルターの取外し方

もう外してしまっていますが、黄色の保護チューブの先にあるコネクターを外します。 これは奥まったところにあって、外しにくいです。 更に年数が経過している事も相まってコネクタが硬いのなんの!  手をいれずらく、苦労して外しました。

 

手順4. 燃料フィルターブラケット移植

スバル・サンバーの燃料フィルターのブラケット移植

燃料フィルターの取付ブラケットを新品のフィルターへ移植します。  大きく広げると塑性変形してしまうので、そっと広げてピストンリングを外す容量で底面の方へ向かって外します。

 

手順5. 29年ぶりのプラグ交換

29年間使用し続けたスパークプラグ

接地電極に段チが付いたタイプ、しかもDENSO製ってもう入手不可能ですよね? しかし29年前&20万㌔走行したプラグにしては状態はいい方だと思います。

電極の角は完全に丸くなっていますね。  29年間お勤めご苦労さまでございました。

 

燃料フィルター分解検証

スバル・サンバーの燃料フィルターを分解

燃料フィルターは非分解構造なので、斬鉄剣を使ってぶった斬ることにしました。  するとポロポロと大量の異物くんがお出ましです。

主成分は主に砂、ときどきサビ。 29年間でこの詰まりなら機能部品としての性能は完璧だと思います。 容量増やせば当然長持ちしますがコスト増になって跳ね返ってきます。 29年毎交換ならお客様も納得できる性能と思います。

 

まとめ

当初は症状が再現せず、再現したら強烈なズッコン&バッコン! 乱高下の激しい修理整備となりましたが、高負荷の時のみ起こるという事は完全な目詰まりに至る直前と言えます。

試運転でその症状をしれた事は整備士としてとても貴重な経験を得られました。  試走からの診断技能も向上できたように感じています。 また弊社の整備士全員がこの症状を経験(運転)したので、更なる整備技術と整備技能向上に努めて参ります。

最後まで御覧いただきありがとうございました。

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