
Toyotaのポルテにお乗りのお客様からのお電話
「寒くてヒーターを付けたんだけど、風が全く出なくて寒いです。治りますか?」との事でご入庫頂きました。
話を伺うと
クルマは一週間に1回程度動かしている。
最近はエアコンを全く使っていなかった。
寒いので暖房を付けたら風が全く出なかった。
このような状況でした。
A/Cスイッチを入れるとコンプレッサーは作動するので、純粋にブロアモーターが回っていない事はすぐに分かりました。
心の中では(ブロアモーターのブラシが死んだか?)などブロアモーター本体の故障を疑っていました。
ポルテ車両スペック
| 車両型式 | NNP10 |
| エンジン型式 | 2NZ |
| 走行距離 | 192,463km |
| 年式 | H18(2006)年式 |
H18年式の走行距離約19万キロですから、まぁまぁ走っている車両です。
ブロアモーターを点検した結果、問題なし
ブロアモータはDCブラシモーターなので先ずは抵抗値を計測します。
結果、2Ωで全く問題なし。
電源回路の点検
となると次に怪しいのは電源(12V)が来ていないのでは? と疑いヒューズからモーターまでの回路を点検します。

回路図に従って点検したところ、「ブロアレジスタトランジスタ」の「4」の配線まで12Vが来ていました。
と言う事は、マイナス制御(マイナススイッチ)のトランジスタがONしていな事がモーターが回転しない原因となります。 試しにブロアモータの配線番号2を直接ボディアースに落としたところ、力強く回転しました。
ここで
- モーターはOK
- 電源回路OK
- アース回路NG
と判断できます。
ブロアトランジスタレジスタの取り外し

↑グローブボックスを外してパッセンジャーの足元にあるECUまでアクセスします。

↑ECUを取り外します。

更に奥へ行くと、プラスビス2本を外してブロアレジスタトランジスタが取れます。 (マジ狭い!)
これで外せます。
センタクラスタモジュールの点検
次にエアコンECU(センタクラスタモジュール)の出力が正しいかどうか?を点検します。
点検した結果、OKとNGが混ざる結果となりました。
- 風量1=0.01VでNG
- 風量2=0.01VでNG
- 風量3=0.01VでNG
- 風量4=12VでOK

ブロアレジスタトランジスタには、風量0=0V、風量1〜4は12Vが来ています。 よってリレーを含めた電源回路はやはりOKです。
しかし、エアコンECUの配線番号11から出力される信号電圧に異常が認められました。
上記の場合、風量4(最大)の場合はブロアモータが回転するはずですが、回転しません。 つまり、信号電圧の異常と受け取る側のブロアレジスタトランジスタの両方に不具合を持っている事が分かります。
よって下記2部品を発注します。
- センタクラスタモジュールスイッチ(エアコンECU)
- ブロアレジスタトランジスタ
だがしかし!!!
「センタクラスタモジュールスイッチ」が定価なんと85,000円ナリ・・・。
しかも・・・ メーカー欠品・・・。
って事でお付き合いさせて頂いている山本商店さんにお願いしたところ、適合する中古品を見つけて頂きました。
ブロアレジスタトランジスタの点検

はい。確定です!笑 アルミのボディが溶けてベースの樹脂と隙間が発生→ 水が入り込み腐食? といった流れですね。

かなりの年月を掛けて鍾乳石が出来上がっています。 これぞカーメンテナンスの神秘!笑
さて、単品点検をしてきます。 さきほどセンタクラスタモジュールスイッチ(エアコンECU)の不良もありましたが、風量4だけは信号電圧が正しく出力されているので、ブロアモーターが回転するはずです。
しかしアクチュエータ側もNGと分かったので単体点検です。
するとB(ベース)からE(エミッタ)間が断線しているようです↓
B〜E間はO.L(オーバーリミット)表示で断線と内部判断
新品は2.188kΩであり断線していない
これではやりブロアレジスタトランジスタの内部不具合が確定しました。
ベース電圧を掛けても、トランジスタがONできず、ブロアモータが回らない。
またエアコンECUからも信号電圧が正しく出ない。
この2つの不具合が同時に起こったことで、風が出ないという不具合に至ったと断定します。
しかし謎はまだあります。
それは、2つの部品が同時に故障した原因は何か? です。 ブロアレジスタトランジスタは、水によって経年劣化した跡がみられますが、エアコンECUが何故壊れたのか・・・
この部分はまだ理解できていません。。
修理費用
| 点検、診断料(約2時間) | 18,000円 |
| 交換工賃 | 3,000 |
| 部品代 | 15,000 |
| 合計 | 36,000円 |

